≪人間の血と汗が染みた物に思いが宿ると…トッケビになるという≫ ≪戦場で幾千の血を浴びたその剣は、主の胸を貫きその血に染まった≫
≪彼の胸から剣を抜けるのは、トッケビの花嫁だけ≫ ≪剣を抜けば無に帰し安らかになろう≫
「以来、不死身のトッケビは永遠の命から自分を解放してくれる”トッケビの花嫁”を探して世界中をさまよっている」と、老婆が若い女に話をしている。老婆が売っている”緑色の指輪”を若い女がそれとなく談笑しながら触った。
若い女が、老婆の元を去ろうとした時…老婆が、若い女の手をつかみ
「生死をさまよう瞬間が来たら、一心に祈りなさい、どこかの情け深い神に届くかもしれない」と告げた。
≪彼は、水であり 火であり 風であり 光と闇である≫ ≪だが昔は・・・人間だった≫ ≪民は彼を・・・”神”と呼んだ≫ ≪鮮血を浴びて、敵を斬り進むその姿は・・・まさに“武神”だった≫
時代は高麗時代、英雄キム・シン将軍は戦いを終え勝利し国に帰ってきた。
民は皆、「キム・シン将軍 万歳!」で迎えた。
凱旋したキム・シン将軍らは、王宮の門の前につき「門をあけよ」と叫んだ。
しかし、何かおかしい。門番が、キム・シン将軍に
「キム・シン 軍装を解け」と、命じた。
みなの顔が変わった。キム・シン将軍は、何かに着付き命令に従い軍装を脱いだ。
さらに門番は
「謀反人 キム・シンは剣を捨てひざまずけ」と…キム・シン将軍の部下は将軍に失礼だと反抗した。すると門の上から弓矢隊が、キム・シン将軍らを狙いはじめ
それを見た将軍は、剣をぬいて
「王様に会う」と言い、歩きはじめた。
弓矢隊は、キム・シン将軍の部下たちに弓矢を放ちはじめた。
そんな中、王宮の門が開いた。部下たちを頼み、キム・シン将軍は1人門の中へ。
王宮には、王妃と王様がいた。王妃は、キム・シン将軍の妹。
王様はキム・シン将軍が、民から”神”と言われている事が面白くなかった。悪い内官に操られていた。 最悪だぁ
一歩、一歩、王様に向かって歩いていくキム・シン将軍に対し
「そこで止まれ、それ以上 私に近づくな」 「お前が逆賊として死ぬなら他のものは許す」 「だが、一歩でも近いたら、一族を皆殺しにし死体をお前の足元に並べる」と。
迷っているキム・シン将軍に妹 王妃は
「行くのです、私は構いません、これも私の運命です」と言い、キム・シン将軍の背中を押した。
キム・シン将軍は、一歩一歩前へ出た。
その瞬間、妹 王妃の胸に弓矢が刺さり・・・家族次々と切られていく。
悪い内官が、「罪人をひざまずかせろ」と言い、ついにキム・シン将軍は足を切られ倒れる。そこへ、部下がキム・シン将軍の元へ。
キム・シン将軍は、「私の最期はお前に頼みたい」と言い、部下に剣を託す。
そして、その剣がキム・シン将軍の胸に刺さり・・・消えゆく意識の中、妹 王妃を見ていた。王妃の指には・・・あの…”緑色の指輪”がはめられていた。
キム・シン将軍は、剣が刺さったまま野原に捨てられていた。意識はまだかすかにある・・・
【現代のソウル】
死神が現れた。死神は、死んだ人の魂を迎えに行く。まだ自分が死んだとは思っていない女性に、現在の時刻や名前、死因などを読み上げあの世へ行く扉がある部屋へ連れて行き、現世の記憶を消すお茶を出す。
「もし飲まなかったらどうなるのですか?」と死神が迎えに行った女性が問うと
「あの世で後悔します、後悔するのは現世だけに」と死神はきっぱり答えた。
死神が女性を送りだし、あの世へ行く扉がある部屋で後片付けをしていて窓の外を見てみると、外を歩いていたトッケビと目が合う。お互いに確かめるように・・・
死神は、「トッケビ?」
トッケビは、「死神?悪趣味な帽子だ」と言いながら、去っていった。
しかしその場所は、普通の人が見たらただの壁。トッケビにしか、死神は見えない。
トッケビが、ある家にやってきた。
そこに老人が孫を連れてきて、トッケビに挨拶をする。
【老人】「旦那様、お元気でしたか?」
【トッケビ】「元気だったか?」
と、挨拶を交わしながら老人は孫のドクファを紹介する。
トッケビは、この老人の一族に代々世話になってきた。
【900年前の高麗】
剣が刺さったまま、野原に捨てられたキム・シン将軍に挨拶にきた老人がいた。ずっと病で倒れていてこれなっかた事を旦那様に誤りにきた。そして、もう自分が死にそうなので自分に代わってお世話をする孫を紹介しにきた。
その直後、夜空は雷が鳴り…剣が揺れはじめた。
≪民の思いがお前に命を与えたようだ。だが、その剣は幾千の血に染まっている。たとえ敵でも、それもまた尊い神の創造物。独り不滅の命を生き愛する者たちの死を見届けよ、どの死も忘れることはない。私が与える褒美でありお前が受ける罰だ。トッケビの花嫁だけがその剣を抜くことができる。剣を抜けば無に帰し安らかになろう≫
神がトッケビを作った瞬間、”トッケビの誕生”
老人と孫の前にキム・シン将軍が立ち上がった。
驚きながらも老人は「旦那様」と言い、頭を下げた。
キム・シン将軍は、老人に「行くところがある」と告げた。
キム・シン将軍は、王様を操っていた悪い内官の元へ行き皆の仇をうった。
【現代のソウル】
ある雪の夜、トッケビはひき逃げされて瀕死状態の妊婦に助けを求められ
人間の生死に関与してはならないというルールを破り、その妊婦を救った。
この妊婦は、前に老婆から「生死をさまよう瞬間が来たら、一心に祈りなさい」と言われたことを守り必死に祈った。
その直後、死神が現れるが、そこには連れて行くはずの2人の魂はなかった。
雪が降っているのに、花が満開になっている
無事に、妊婦の赤ちゃんが生まれた。
誕生したこの子が、”トッケビの花嫁”に。
【8年後】
ウンタク(トッケビの花嫁)は、ロウソクを立てて願い事をしたいから今年の誕生日はケーキがいいとママに頼んだ。
そんな話をしながら、ウンタクとママは散歩していた。するとウンタクが子犬を見つけなでている。しかし、そこにはママに見える子犬はいない。
学校から帰ってきたウンタクにママは誕生日ケーキを用意していた。
ロウソクに火をつけたウンタクが・・・ママではない事に気付いた。
「今 見えてるのはママの幽霊なんでしょ」と
ママは、ウンタクが幽霊を見れるのを少し気付いていた。
ママは、死んでいた。ウンタクに誕生日のお祝いを言いたく現れた。2人は、ウンタクが幽霊を見れるのに感謝し別れの挨拶をした。
ママは以前あった老婆の所行き、ウンタクの事のお願いとお別れの挨拶をした。
ウンタクがママのいる病院へ行くため家を出た時、死神が現れた。ウンタクは、死神も見えてしまった。
死神は、ウンタクが雪の日に迎えに行った魂の1人だと気付き、ウンタクに話しかけていた。
その時、老婆がウンタクを助けにきて死神を追い返してくれた。 死神から身を隠すために、苦労することになるが他に道がないから、これからママの葬儀場で会う人の所へ行きなさいとウンタクに伝えた。
ウンタクが、なぜ私を助けるの?と老婆に問うと・・・
「お前を授けた時 幸せだった」と老婆は答え愛おしい表情で去っていった。
【10年後】
老婆は、赤いスーツを着た若い女性になった
相変わらずウンタクは幽霊が見えていた
学校帰りの雨の日、ウンタクとシン(トッケビ)はすれ違った。その時、シン(トッケビ)は何かを感じた。
ウンタクは、叔母に引き取られていた。叔母は朝から、ウンタクの母親の保険金が入った通帳をどこに隠したかウンタクに怒鳴りながら聞いている。ウンタクは知らないと言い、家を飛びだした。
今日は、ウンタクの誕生日。
家を飛び出したウンタクは海へ行き、ケーキのローソクに火をつけて、願い事はしないと9歳の時に誓ったけど・・・今日だけは願い事をした。
「叔母一家を何とかしてください。そして私にバイトと彼氏を。どうか私を幸せにして。10ウォン分だけでも・・・」 この時シン(トッケビ)にウンタクの願い事が聞こえていた
と、神様がいるわけないのにと思いながらもロウソクの火を消した。
すると、ウンタクの後ろにソバの花を持っているシン(トッケビ)が現れた。
「君か?なぜ呼んだ」 「呼んでないわ」 「いいや、呼んだ。どうやって私を呼んだ」2人が言い合いをしていると、ウンタクはシン(トッケビ)に 「オジサン、この前すれ違った幽霊なんでしょ」と言った。 ウンタクはすれ違った事を覚えていたのね
ウンタクは、シン(トッケビ)に「今日は私の誕生日だから、そのお花をちょうだい」と、シン(トッケビ)は戸惑いながらわたした。
シン(トッケビ)は、ウンタクに願い事が聞こえたから(叔母一家・バイト・彼氏)叶えてやると言ったが、ウンタクは色々言って最後に
「500マンウォンほど都合して」と。
シン(トッケビ)は、「叔母一家に別れの挨拶をしろ」「鶏肉店のバイトを頑張れ」と言い、あきれ顔をしながら消え去ってしまった。
慌てて、ウンタクは彼氏の件の事も叫んだが・・・去ったシン(トッケビ)の事をケチな幽霊だとおもった。
シン(トッケビ)が家に帰ると、死神がいた。ドクファ(シンの家臣の子孫)が勝手にシン(トッケビ)の家を死神に貸し出していた。
そのせいで、シン(トッケビ)と死神の男2人の奇妙な同居生活が始まった。 面白くなりそうです
一方、ウンタクは鶏肉店でのバイトを探していた。何件も探しても採用されず公園で休憩していたら、ごみ箱が燃えていた。火を消そうとして、息をかけたら・・・また、シン(トッケビ)が現れた。
そこでもまた、呼んだ、呼んでない、の言い合いが始まってしまった。
シン(トッケビ)はウンタクの事に、何者か?と聞いた。
「ティンカーベル」と答えたウンタクに対し、またあきれ顔をして消え去ってしまった。
ある日、ウンタクは教会へ行った。教会で祈っている時にシン(トッケビ)を呼ぶ手段を思いついた。ロウソクに火をつけ、吹きけした。
やっぱりシン(トッケビ)は現れた。シン(トッケビ)は迷惑そうに、「呼ぶ場所を考えろ」と言い、教会で力を使うのはまずいから歩いて去った。
いつでもシン(トッケビ)を呼べる方法が見つかったウンタクは、今度は、携帯電話のロウソクを消してシン(トッケビ)を呼んでみた。やっぱり現れた。
これから、法事があるというシン(トッケビ)を引き留め質問をした。
「最初、あなたを死神かと、でも私を連れて行かなかった」
「次は幽霊かと思ったけど よく見たら影があった」
「だから、何者かと考えた、おじさん トッケビでしょ?」
そう言われたシン(トッケビ)は、ウンタクにお前は何者だ?と質問した。すると、ウンタクは・・・
「実は私・・・トッケビの花嫁なの」と言い、霊感がある事や首の後ろにアザをみせた。このアザを見て、幽霊たちに”トッケビの花嫁”と言われている事を話した。
シン(トッケビ)は、心当たりがある事を思い出す
「証明しろ、何が見える」とシン(トッケビ)はウンタクに言い、本当にトッケビの花嫁か確認をする。
しかし、ウンタクはシン(トッケビ)の欲しい答えとは別の答えをした。
「それが見えなければ 君は花嫁じゃない。君は、掟破りで生まれた副産物だ。おまけで得た人生に感謝してくらせ」
と冷たく言い、自分はトッケビではないと否定をした。
シン(トッケビ)は、そのまま近くの扉を開け去った・・・怒ったウンタクは、扉を開けシン(トッケビ)を追った。
あれ?シン(トッケビ)は動揺を隠せない。扉の向こうは・・・カナダ! ウンタクも驚き歩きまわって確認した。 カナダだ!
これで、ウンタクは確信し決心を
「あなたと結婚する。やっぱりトッケビに違いないわ、愛してる」
ウンタクは満面の笑みをみせながら、シン(トッケビ)に言った。
最後まで読んで頂きありがとうございます。第1話は、話が密でした。とても長くなってしまいました。
また、宜しくお願い致します。
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